症例別アドバイス:神経発達症
2024.01.16
自閉スペクトラム症
「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)」は、対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つです。
近年1歳半の乳幼児健康診査というかなり早期にその可能性を指摘されることがあるようです。
自閉スペクトラム症の原因は現代医学では不明です。生まれつきの脳機能の異常によるものと考えられています。
最近の研究から親の育て方やしつけ方などが原因ではないことがわかっていますが、「育て方が悪かったのか…?」「私のしつけの問題…?」と悩む母親が増え家族不破などにつながるケースも少なくありません。
自閉スペクトラム症には、対人関係やこだわりの特性がきわめて強い状態だけでなく、これらの特性が少しでもあることによって生活に支障を来し、福祉的・医療的サポートが必要な状態まで幅広く含まれます。最近の調査では自閉スペクトラム症と診断されるお子様が増えており、子どものおよそ20~50人に1人に特徴が表れているそうです。男児に多くみられ、女児の約2~4倍という報告があります。
自閉スペクトラム症が疑われるお子さんには、次のような特徴がみられます。
- 視線が合わないか、合っても共感的でない
- 表情が乏しい、または不自然
- 名前を呼んでも振り向かない
- 人見知りしない、親の後追いをしない
- ひとりごとが多い、人の言ったことをオウム返しする
- 親が「見てごらん」と指さしてもなかなかそちらを見ない
- 抱っこや触られるのを嫌がる
- 一人遊びが多い、ごっこ遊びを好まない
- 食べ物の好き嫌いが強い
- 欲しいものを「あれとって」と言葉や身振りで伝えずに、親の手をつかんで連れて行って示す
Etc…
※正確な診断のためには専門の医師や心理士による問診・面接・行動観察・検査などが必要です。
ホメオパシーでできること
自閉スペクトラム症はもっともらしい病名がありますが、病気ではありません。
ホメオパシーでは持って生まれた「特有の性質」(特性)と考え、特性自体を薬で治すのではなく、一人一人のお子様が抱えているストレス、不安やフラストレーションを根本から解決することで、気持ちを楽にしていきます。
アプローチ方法は興奮、パニック、自傷行為、攻撃性、不眠などがある場合には、その子にかかった負荷をホメオパシー薬(レメディー)を用いて改善していきます。
自閉スペクトラム症の人たちは、特性を周囲に理解してもらいにくく、いじめ被害に遭う、一生懸命努力しても失敗を繰り返す、などのストレスがつのりやすいため、身体症状(頭痛、腹痛、食欲不振、便秘、チックなど)、精神症状(不安、うつ、緊張、興奮しやすさなど)、不登校やひきこもり、暴言・暴力、自傷行為などの「二次的な問題(二次障害)」を引き起こしやすいといわれています。
彼らは理解されることによって「生きづらさ」が軽減します。
そのためには家族や周囲がその子の特性を理解し、自分を責めるのではなくその子のための最善を考えていくことが重要です。
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